温湿度データ..|静岡県浜松市の大石設計室は、民家工房法・伝統木工法を駆使した木造住宅・古民家再生を専門とした設計事務所です。「真壁造り」「土・紙・石などの自然素材」「住まいやすさ」など、古い民家に詰まったたくさんの知恵を受け継いだ「民家を継承した家」をつくり、次の世代に残していきたいと考える木造民家・古民家再生工房です。

温湿度データ..

2019.05.09

温湿度データ...

ふたつのそらどまの家の温湿度データを整理する時間がやっととれました。 ロガーの中に入っているデータが腐っちゃわないうちになんとかひとつまとめることができて良かったよかった。

まずは、ありたま南町の家.. 二世帯のそらどまの家。 
子世帯の方はそらどま換気システム+ペレットストーブ(暖房)&エアコン(冷房)で、親世帯の方は床置きエアコン+第3種換気。 両世帯ともアルミ遮熱シート+ポリエステル断熱材100mm&可変透湿気密シート張りで、外壁と屋根共二重通気という仕様です。
窓の断熱と日射遮蔽はハニカムサーモスクリーンと通風雨戸または簾...

まずは昨年の夏、37.8℃が二日続きいちばん暑かった7/22~24の室温データ

20180722242018072224_1  

右側が親世帯で左側が子世帯。 周囲が田畑で風通しが抜群とは言うものの、さすがに38度ちかい外気温にはギブアップ... 昼間はできる限り日射遮蔽してエアコンを28℃くらいで入れてなんとか31℃前後に。 夜間は風が涼しいので窓開けで30℃を下まわり通風でしのげているようです。

2018072224_2 2018072224_3

こちらは湿度のデータ。右側の親世帯の方では、茶の間に置いたロガーの位置がキッチン腰壁の上で、良く開け閉めする窓のすぐ横でしたので、調理の水蒸気や外気の湿気とかさなって常に80%を超えているデータになっているのにびっくり...  でも生活感では脱衣室のデータ同様にまったくジメジメしたいる感じはないようです。

まだこの時期は入居したばかりで、まだ落ち着かないところでしたので、今年の夏の暮らし方でどうなるかたのしみです... 

続いては今年の冬の室温データ。

2019012628 2019012628_1

左側が子世帯、右側が親世帯の室温。 今シーズンは1月10日が-2.4℃でいちばん寒い日でしたが、3日間の外気温がいちばん低かった1/26~28を採用しました。1/27の最低気温は-0.1℃で前後の日が1.4℃..

朝方6時頃から2時間程度、夕方17時頃から2~3時間、子世帯ではペレットストーブで、親世帯では床置きエアコンで暖房しています。 朝方いちばん温度が下がる6時頃で親世帯の脱衣室でも14.7℃くらいでおさまっています。子世帯の脱衣室で温度が下がっているのは、掃き出し窓を換気のため少し開けていることもあり10℃くらいになっていることはありますが、15℃を下まわらない生活ができているようです。とくに親世帯の茶の間では、17~8℃を保っていますので、「まったく寒くなかったよ..」というのがご両親の感想でした。

2019012628_2 2019012628_3

こちらが湿度のデータになります。 親世帯ではそんなに室温を上げないことや台所食堂での調理の水蒸気もあり40%前後となっていますが、子世帯では床下でも30%前半で、居間ではほとんどの時間で30%を下まわっている状況でした。室温が高いという事もありますがさすがにのどがカラカラになるようで、加湿器を使うこともあったようです.. なんとかもう少し室温を上げずに生活することと調湿の方法を次のシーズンには考えなくてはいけませんね。

こんな風にデータを見ながら家の造りや生活のようすが見えてくるところもおもしろいところです。

そんな反省点を見ながらお家の造りをもう一度見直すことに...住まいさんが使いこなせるような装置(オペレーション)もあわせて考えてみることとしましょう。さらなるそらどまの家をめざして...



pagetop