温湿度データⅡ..|静岡県浜松市の大石設計室は、民家工房法・伝統木工法を駆使した木造住宅・古民家再生を専門とした設計事務所です。「真壁造り」「土・紙・石などの自然素材」「住まいやすさ」など、古い民家に詰まったたくさんの知恵を受け継いだ「民家を継承した家」をつくり、次の世代に残していきたいと考える木造民家・古民家再生工房です。

温湿度データⅡ..

2019.05.10

温湿度データⅡ...

もうひとつのそらどまの家..いいのやの家を。 こちらはまだ夏を過ごしていませんので今年の冬のデータを。

ありたま南町の家と同様に、今シーズンは1月10日が-2.4℃でいちばん寒い日でしたが、3日間の外気温がいちばん低かった1/26~28を採用しました。1/27の最低気温は-0.1℃で前後の日が1.4℃..という外気温です。

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左側が室温データ、右側が湿度のデータです。

いいのやの家は、アルミ遮熱シート+セルロース断熱材120mmで、外壁と屋根ともに二重通気。可変の気密シートは張っていませんが、気密は1.0㎠/㎡です。そらどま換気システム+ペレットストーブ(暖房)&パッシブエアコン(冷暖房)という仕様です。断熱性能は、Ua値0.67(0.47)、Q値2.84(2.16)です。*( )内は遮熱と日射遮蔽を考慮した数値

外気温が下がる朝方2~3時間と、夕暮れから2~3時間ペレットストーブに火を入れて暮らしているようです。天候がよく太陽の日射を得られる時は自然室温が上がってきますが、三日目28日のように日射が得られないときは暖房器機に頼らざるを得ないところです.. パッシブエアコンは立ち上がりも早く扱いやすいという利点はありますが、入れたとたん温湿度が乱高下するところは少し違和感がありますね。

そらどま換気システムで家中の空気を動かしていますので、各部屋では一日の温度の変化が1℃程度ですし、部屋間の温度変化も1~2℃程度で家中の室温が安定しています。 いちばん温熱環境的に不利な北側で掃き出し窓のある洗濯室でも、室温は17℃を下まわることはありませんでした。この部屋の室温の変化は、外気温が3℃くらいで真夜中の室温21℃から朝方7時の室温が17.5℃ということで3.5℃の室温低下におさまっているようです..

このくらいの室温だと冷え性の方でもまったく寒さを感じないで暮らすことが可能ですね。 そらどま換気システムでは床下も室内空間としてあつかい、空気循環をしていますのでその効果は絶大です...

湿度に関しては、洗濯室を除いては各部屋でほとんど変化はありませんが、ありたま南町の家と同様に湿度が低いようです.. 床下で42%程度、居間や寝室では35~7%となっていますので、やはりもう少し湿度の調整をする必要がありますね。 可変透湿気密シートを張ればもう少し改善されていたかもしれません..調湿はこれからの大きな課題と言えます。夏にも冬にも...

夏のデータがとれましたらまたお知らせしますね。



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