障子..|静岡県浜松市の大石設計室は、民家工房法・伝統木工法を駆使した木造住宅・古民家再生を専門とした設計事務所です。「真壁造り」「土・紙・石などの自然素材」「住まいやすさ」など、古い民家に詰まったたくさんの知恵を受け継いだ「民家を継承した家」をつくり、次の世代に残していきたいと考える木造民家・古民家再生工房です。

障子..

2011.04.06

襖や障子が現場にやってきました...

天候にも恵まれ外構の工事も順調に進行中です。今週末からは木塀やデッキそして造園の工事が始まります... 現場では待ちに待った建具が運び込まれ吊り込まれています。

土佐和紙の襖やスギの紙貼り上下障子にスギ板戸と民家の工房定番の建具たちです。造り付け家具も取り付き建具の方もここ数日で所定の場所に吊り込まれる模様..

「どの現場も障子なんですねぇ..」 な~んてよく言われます。 そうなんです、いつも障子を使ってます。一般的なカーテンと同じ感覚です...

昔から外部に面する開口部は建具の重ね使いがされていました。”雨戸にガラス戸と障子又は襖戸”って感じでね... 最近ではサッシの性能も良くなり雨戸が無いことも多くなり、合わせてペアガラスが使われ外部に面する開口部は一重となってることが多いのでは..

省エネの観点から開口部の断熱性能が求められていますね。 そこで登場するのが 「内障子」 です。 私のところでは 単板ガラス+紙貼り上下障子 を使っています。ペアガラスじゃないの..ってところですが、このふたつの重ね使いで開口部から逃げていく熱の量は変わらないんです。

高性能のペアガラスはリサイクルが出来なかったり、カーテンだと夏場熱をため込んでしまったり冬場はすきま風があるなどの欠点がありますね。 そこで障子紙の光の拡散作用は直射日光は半分くらいに遮りますが、室内では紙を通った光や照明の光は部屋中に拡散されますので想像以上に明るさを感じられます... もちろんすきま風も防ぐことも出来ますね。

付け加えると、障子は上部下部がそれぞれ上下に移動することと、開口部から外れて横の壁に引き込まれますので、光の調整や開口部の全開口が可能となります...

..と、なかなかの優れものです。 現場に寄られたら ”障子” のそんなところも見てあげてくださいね...

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