民家に暮らそう...
「民家に暮らそう」とは民家を継承した家に住まうと言うことです。古い民家には、この地球に生きその土地に暮らし その家に住まうためのたくさんの知恵が詰まっています。 この知恵のすばらしいところは、さまざまな環境に対して絶妙なバランスが保たれているところです。今私たちを取り巻く環境は、それぞれのバランスが悪くなることで崩れ始めています。民家を継承した家に住まうことで、その知恵を受け継ぎ新しく迎える時代や環境とうまく共生し、微妙に崩れ始めたバランスを回復することもできると考えています。そんな想いから民家の再生にも積極的に取り組んでいます。大切なものを受け継ぎ大切につくりそして次の世代に残していきたいと考えています。
民家の工房 大石 智
そんな想いが民家の工房の家づくりの基本となってます。
民家を継承した家...
民家を継承した家ってどんな家なの? 4つのコンセプト...
1.真壁造り
木を長持ちさせるために木を隠さないことです。これは架構(梁組み)・木組みが見えるということです。木組みの美しさは構造強度と直接つながります。ですから木組みは架構を優先させることが大変重要になるのです。この木組みの木材には国産・地元産の木が使われます。これらのことは伝統木構法の高い技術を次の世代に伝えられ、山の荒廃の進行を食い止め、豊富な資源のサイクル回復にもつながります。
2.土と紙と石で
住まいは自然素材でつくることです。木は柱や梁になっても生き続け呼吸をしています。また自然界に存在する土・石・紙などは抵抗なく受け入ることが出来ます。このことが安心感を与えてくれ、その場に和み落ち着く空間を造り出すことが出来るんです。これらはもちろん再利用することが出来ますし、土に還すことも可能です。生産エネルギーコストも低く環境にもやさしいです。これらの素材を適所に使い、住まい手が光や風を上手に調節することにより環境と共生した住まいとなります。
3.住まいやすさ
住まいは家族が住まう場所です。家族が集う場を中心にそれぞれの部屋が隣り合うようなつながりのある空間(間取り)が大切です。部屋がつながり合うということは風通しの良い家となり、もちろん家族もつながりあえるということです...子供たちはそんなつながりやふれあいの中から人格が形成されていくことでしょう。また内外をつなぐ工夫をすることで広がりのある空間をつくり出すことが出来ます。
これらは限られたスペースの中でゆとりのある空間 を造り出すための重要なポイントとなります。
4.窓先には木を
夏には風通しの良い部屋で寝ころんだり、寒い冬には日向ぼっこ...休日にはガーデニングで花を楽しむなど外部に開放的な家とすることです。冷暖房設備が充実された今日、締め切った生活が快適だと錯覚しがちです。たとえば小さくても良いから庭をつくりそこを通り抜ける風や緑を楽しむ...など締め切らないことが快適だと思えるような家(間取り)としましょう。外部に開放的な暮らしが、近隣の人たちとのふれあいも生まれ、よりよい環境のまちづくりにもつながってくれればとも考えます。
そして職人さんたちが丹精込めて造り上げた民家に住み職人の心意気を感じ、そして大切に住み続けることで温かい心、日本人の心、そんな心を感じられる住まいを...と考えています。
「古民家再生」・「パッシブデザイン」・「そらどまの家」は、民家を継承した家づくり手法のひとつです。